アステラスの社員がオフィスのホールを歩く様子は、大胆なアイデアを生み出し、協働してイノベーションを起こすコミットメントを表しています。

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世界の人々の健康のために、最先端の科学を追求し、より良い社会の実現を目指す社員の想いを紹介します

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イノベーションと患者さんのニーズが交わる場所
2026年10月21日
患者さんの暮らしをより良くすることを目指し、明るい臨床現場で、科学者と医師が握手を交わしている。

科学の進歩は、がんとともに生きる多くの患者さんに新たな可能性をもたらしてきました。しかし今なお、治療の選択肢が限られているがんは多く、治療が難しいがんに対する新たなアプローチが早急に求められています。

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会に世界のがん領域の関係者が集うなか、Head of Oncology DevelopmentのMoitreyee Chatterjee-Kishoreと、Head of Medical Affairs Global Brand StrategyのEmad Siddiquiが、アステラス独自のがん治療へのアプローチについて語ります。アステラスが、いまだ大きなアンメットニーズが残る領域で新たな治療アプローチの実現を目指すために、科学的イノベーションと実臨床から得られるエビデンス、そして臨床経験をどのように結びつけているのかを紹介します。

Moitreyee Chatterjee-Kishoreの顔写真

Moitreyee Chatterjee-Kishore,
Ph.D., MBA

Head, Oncology Development

Portrait of Emad Siddiquiの顔写真

Emad Siddiqui
Head, Medical Affairs
Global Brand Strategy

アステラスのがん領域におけるアプローチを特徴づけるものは何でしょうか。

Moitreyee Chatterjee-Kishore: 私たちは、治療の選択肢が限られている、あるいはまったくない患者さんに新たな可能性をもたらし得る科学を追求しています。私たちは、がんと向き合う人々を、そのがん体験のさまざまな段階で支えたいと考えています。そのために、より早期の診断や治療、再発した場合の新たな選択肢の提供、そして生活の質と生存期間の向上につながる可能性のあるアプローチの推進に取り組んでいます。目指しているのは単なる段階的な進歩ではなく、まったく新しい治療の可能性を切り拓くような前進です。

その出発点は、何が特に治療が難しいがんを引き起こしているのか、そして、それを乗り越えるためにどのような治療が必要なのかを深く理解することです。次に、その課題に最も適したモダリティを組み合わせます。これが私たちのFocus Areaアプローチの中核となる考え方です。つまり、疾患バイオロジーへの深い理解と、そこに作用する革新的な治療モダリティを結びつけ、その組み合わせをアンメットニーズの高い疾患領域に応用していくという考え方です。

Emad Siddiqui:私たちは、研究成果が実際の医療に届くまでの道筋も考えます。患者さんがどのような道のりをたどるのか。最も大きなアンメットニーズはどこにあるのか。どのような患者さんが最も恩恵を受けられるのか。医療従事者にはどのような検査やエビデンスが必要なのか。こうした問いを早い段階から考えることで、科学と、その進歩が将来どのように臨床現場で活用され、患者さんの利益につながるかという現実につなげていくことができます。

「目指しているのは単なる段階的な進歩ではなく、まったく新しい治療の可能性を切り拓くような前進です。」
Moitreyee Chatterjee-Kishore

アステラスは、膀胱がん、前立腺がん、胃がんの治療選択肢を提供しています。研究だけではわからない、実臨床だからこそ見えてくることは何でしょうか。

Emad Siddiqui:主要な臨床試験では、定められた試験条件のもとで治療の有効性とリスクを確認できます。一方、実臨床では、治療を取り巻く現実が見えてきます。たとえば、日常のがん診療において、検査によって治療判断の精度がどのように高まるのか、検査の結果がどのように治療判断につながるのか、患者さんや介護者、医療従事者にはどのような支援が必要なのか、そしてそれぞれが重視することが時間とともにどのように変化するのかといった点です。

こうした知見は、より早い段階での介入や、身体機能や生活の質の維持につながる可能性を示してくれます。また、検査の遅れや、検査や治療へのアクセス、よりわかりやすい情報提供や支援の必要性といった課題を明らかにすることもあります。こうした知見はエビデンスに代わるものではありません。むしろ、さらなるエビデンスが必要な領域を明らかにするとともに、今後の研究が実際の医療現場の実情をより適切に反映することにつながります。

Moitreyee Chatterjee-Kishore:実臨床で得られる経験は、既存のアプローチをさらに発展させ、新たな可能性を探り、開発の早い段階から実践的な問いを組み込むうえでも役立ちます。

膀胱がんにおける抗体-薬物複合体(ADC)の経験からは、適切な標的を選ぶこと、治療薬を効果的に届けること、そして有効性と安全性のバランスを取ることのすべてが、治療結果に影響することがわかってきました。こうした学びは今、胃がんや膵がんを含む他のがんでADCを設計・評価する際にも活かされています。同様に、前立腺がんでの経験は、進行した疾患を抱える患者さんに対し、どこで追加のアプローチが必要かを見極める助けとなり、T細胞エンゲージャーのような革新的なアプローチの探索にもつながっています。

CLDN18.2やKRASといった標的は、がん領域でますます注目されています。アステラスの取り組みには、どのような特徴がありますか。

Moitreyee Chatterjee-Kishore:特徴的なのは、私たちが積み重ねてきた経験の深さと、それぞれの標的に対して幅広いアプローチを検討している点です。アステラスは、約10年前からCLDN18.2の可能性にいち早く着目してきた企業の一つです。このタンパク質は一部のがん細胞の表面に存在するため、複数の方法でアプローチできます。モノクローナル抗体に加え、私たちはADCとT細胞エンゲージャーの両方を検討しており、それぞれ異なる方法で同じ標的に作用するよう設計されています。

一方、KRASは細胞内に存在してがんを引き起こすタンパク質であり、これまでアプローチが難しい標的と考えられてきました。私たちは、そのような課題に対するアプローチの一つとして、標的タンパク質分解誘導を研究しています。これは、従来の阻害剤とは根本的に異なるアプローチであり、タンパク質の働きを抑えるのではなく、細胞が本来持つ分解の仕組みを活用して、疾患の原因となる標的タンパク質そのものを取り除くことを目指します。共通しているのは、それぞれの標的のバイオロジーや細胞内での位置に応じて、新しいアプローチを柔軟に取り入れる姿勢です。

標的を見つけることは、課題の一部にすぎません。バイオマーカーに基づく治療を実臨床で機能させるには、何が必要でしょうか。

Emad Siddiqui:標的を理解することは、ほんの出発点です。科学の進歩は、実際の医療現場で機能してこそ大きな意味を持ちます。バイオマーカーが医療を変えるのは、医療従事者が誰をいつ検査すべきかを理解し、必要な時に結果が得られ、治療判断を導く明確なエビデンスがそろうという一連の流れが整ったときです。検査へのアクセス、結果が出るまでの時間、診療のワークフローはいずれも、適切な患者さんがその疾患に対して設計された治療を受けられるかどうかに影響します。

CLDN18.2での経験は、こうした実務的なステップを科学と並行して考える必要があることを示しています。臨床エビデンス、信頼できる検査、そして患者さんを適切に特定できるという確信がそろうことで、バイオロジーの知見を治療判断へとつなげることができます。私たちは医療従事者の声に耳を傾けることで、障壁を把握し、実臨床で必要となるエビデンス、情報の提供、支援を形づくっています。

「科学の進歩は、実際の医療現場で機能してこそ大きな意味を持ちます。」
Emad Siddiqui

今後を見据えたとき、がん医療の未来に希望を感じるのはどのような点ですか。

Emad Siddiqui:私が希望を感じるのは、科学的な発見をより的確に結びつけられるようになり、患者さんにより良い治療成果をもたらせる可能性が高まっていることです。有望なアイデアを実際の医療につなげるために、より精度の高い検査や、医療従事者が活用できるエビデンス、そして治療が患者さん一人ひとりにとってどのような意味を持つのかをより深く理解することが、これまで以上に重要になっています。また、医療従事者や患者さん、介護者の声に耳を傾けることで、まだ答えが求められている課題も見えてきます。私たちが目指すのは、人々の人生にとって意味のある進歩を実現することです。

Moitreyee Chatterjee-Kishore:がんに対する理解が深まることで、長年治療が難しかったがんに対しても、より精密なアプローチが可能になりつつあることに希望を感じています。科学と実臨床から得られる学びを組み合わせることで、より大胆で、より確かな判断を下しながら、がんの経過を変え、患者さんの生活の質の向上につながる可能性を持つ革新的な治療アプローチを前進させることができます。

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