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数手先を見据え、世界で築いたキャリア
2026年10月09日
グローバルな医療関連イベントの会場入口前に立つロドニー・ロング

製薬業界で30年、そしてアステラスで13年以上にわたり3か国でキャリアを積んできた一人のリーダーの歩み。数手先を見据えて行動し、慣れない環境にあえて飛び込み、人とのつながりを大切にすることで、キャリアの成長と組織への貢献を加速させてきました。

Rodney Long's photo

Rodney Long
Vice President,
Head of US Commercial Oncology,
Urothelial Carcinoma

「なぜ人によってキャリアの成長スピードに差があるのか」

米国のコマーシャル・オンコロジー部門長として、尿路上皮がん領域を率いるRodney Long(以下、ロドニー)は、この問いに対する明確な考えを持っています。それは、単に人一倍努力することでも、優秀であることでもありません。重要なのは、戦略的に考えることです。

ロドニーは、こう語ります。

「多くの人は、キャリアをチェッカーというゲームのように考えています。一度に一マスずつ前進していくイメージです。でも私は、キャリアはチェスのように考えるべきだと思っています」

ロドニーは、戦略的な思考に基づき、アステラスで米国、日本、中国でのコマーシャル部門のリーダーシップ職など、13年以上にわたるキャリアを築いてきました。その過程で彼が学んだのは、履歴書上で華やかに見える経歴だけが、本当に価値のある選択ではないということでした。大切なのは、次のステップへの準備につながる経験を積み上げていくことでした。

動画で、ロドニーのキャリアの歩みと学びをご覧ください。

次の一手を読み、キャリアを加速

製薬業界は、治療法の革新が加速し、商業モデルが急速に進化しています。そのような環境変化の中、市場や文化、職種の違いを越えて、複雑な課題に対応できるリーダーが求められています。ロドニーは、その力を身につけるために、あえて他の人が選ばない道を進んできました。

ロドニーは、アステラスで初めて海外駐在を経験し、日本のリージョナル・マーケティング・リードを務めました。その異動は昇進ではなく、いわば横の異動でした。しかしロドニーは、その異動を将来のキャリアへの投資と捉えていました。グローバルな視点、異文化の中でのリーダーシップ、慣れない環境で対応する力を身につける機会になると考えたのです。

「時には、昇進よりも異動の方がキャリアを大きく加速させることがあります」と彼は振り返ります。

ロドニーが経験してきた一つひとつの異動には、明確な意図がありました。それぞれの経験が、二手先、三手先の役割に備えるためのスキルや経験を積むことにつながったのです。彼はキャリアを、役職や肩書きを積み重ねるものではなく、次の挑戦に向けた準備の積み重ねとして捉えていました。

不確実な環境でリーダーシップを発揮

次の赴任先の中国では、それまで積み重ねてきた経験が思いもよらない形で試されることになりました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった頃、ロドニーは北京を拠点に、中国のオンコロジー・ビジネス部門長を務めていました。

「コロナ禍に、他のシニアリーダーたちと中国に残り、さまざまな課題を乗り越えるために組織を率いることを決めました」と彼は振り返ります。

その経験は決して容易ではありませんでした。コロナ禍に、ビジネスも人々の生活も大きな影響を受け、チームはこれまでにないストレスを抱えながらリモートワークを続けました。また、医療システムにも大きな負荷がかかっていました。

しかし、中国に留まるという決断は、彼のキャリアを支えてきた信念を体現するものでした。「本当の成長は、不確実性に踏み込み、自分自身を信じるところから生まれる」という考え方です。

「慣れない環境や困難な状況を受け入れ、他の人がためらうような仕事にも果敢に挑戦することが、キャリアを大きく前進させ、長期的に自分の価値を高める近道になることがあります」と彼は語ります。

アステラスにとっても、コロナ禍という危機の中で中国に留まり、複雑な状況を乗り越える覚悟を持ったリーダーの存在は欠かせませんでした。そしてロドニー自身にとっても、この経験はレジリエンス(回復力)、適応力、そして変化の中で組織を導く力への理解を深めるものとなりました。

人とのつながりが支えたキャリア

ロドニーのキャリアを支えてきたのは、仕事に挑戦することだけではありませんでした。その過程で築いた人とのつながりも、同じくらい大切なものでした。

「人とのつながりは長年続く友情に変わり、自分一人では出会えなかったような機会をもたらしてくれました」と彼は言います。

ロドニーは「PIEフレームワーク」を大切にしています。PIEとは、Performance(成果)、Image(印象・評価)、Exposure(認知・つながり)のことです。

「成果はもちろん大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。周囲があなたの強みを理解していること、そしてキャリアを後押ししてくれる人たちに自分を知ってもらうことも同じくらい重要です。どれだけ成果を上げていても、自分がどんな価値観を持ち、どのように行動する人なのかが伝わっていなければ、その成果が見過ごされてしまうこともあります」と彼は説明します。

ロドニーにとってキャリアは、良い選択と成果を重ね、人との信頼関係を築くことで形作られるものです。そして、それぞれが時間をかけながら互いに良い影響を与えていくと考えています。

彼はこれまで、国や地域、時差、職種の違いを越えて人とのつながりを大切にし、ネットワークを築いてきました。相手が何に関心を持ち、何を大切に行動しているのかを理解し、その人のキャリア目標の実現に自分がどう役立てるかを考えることから生まれたものでした。

「私が人との関係を築いてきたのは、いつか仕事につながることを期待していたからではありません」と彼は語ります。

「ただ純粋に、その人たちのことを大切に思っていたからです」

次の世代を育てる

ロドニーの人材育成に対する考え方は、周囲を驚かせます。彼はチームメンバーに最初からこう伝えています。

「私のチームで、同じ役割に3年間いれば十分です。成長の機会を逃してまで長く留まる必要はありません。キャリアを前に進めるためには、新しい経験や機会に触れ、自分の目標につながる異動を恐れないことが大切です」

一般的なリーダーとしては珍しい考え方かもしれません。しかしロドニーは、優秀な人材を引き留めることが人材育成だとは考えていません。大切なのは、一人ひとりが目的意識を持ちながら、自分らしいキャリアを築いていけるよう後押しすることです。

「私の時間の半分は事業運営に、残りの半分は人材育成に使っています」と彼は語ります。

彼は、コーチングする相手に対し、自らの目標を明確にし、その先のキャリアについて戦略的に考えるよう促しています。優秀な人材が自分のチームを離れて別の機会に挑戦することにつながることも恐れていません。患者さんへより大きな「価値」をより速く創り、届けるためには、部門を越えた協働やグローバルな視点が欠かせません。だからこそ、社員の成長を後押しするようなリーダーシップは極めて重要だとロドニーは考えています。

仕事以外の素顔

ロドニーは趣味にも情熱を注いでいます。ゴルフ、パン作り、そしてコーヒーです。熱心なゴルファーであり、パン作りも大好きな彼は、現在、天然酵母パンやクロワッサン、さらにはエスプレッソのラテアート作りに挑戦しています。

彼にとって、こうした趣味の時間が大切です。心身をリフレッシュし、自分を整える時間でもあります。また、ロドニーは人前に立ち、多くの人を率いる立場にありながら、実は内向的な性格だといいます。その姿は、優れたリーダーシップに決まった形はなく、それぞれが自分らしいスタイルで発揮できることを教えてくれます。

Rodney Long enjoying his hobby on a boat.

数手先を見据えたキャリア

振り返ると、ロドニーのキャリアは一度の大きな成功によって築かれたものではありませんでした。その背景には、数々の選択がありました。昇進ではない異動を選んだこと。多くの人が去る中で中国に残る決断をしたこと。見返りを求めず人とのつながりを大切にしてきたこと。次の役職だけでなく、その先まで見据えて行動してきたことです。

彼のアドバイスはシンプルですが、深い意味があります。キャリアを戦略的に考え、数手先を見据えること。どの段階でも人とのつながりを大切にすること。そして、勇気を持って一歩を踏み出すことです。

「忍耐強く、思慮深く行動し、人とのつながりを築きながら、自分を成長させる機会を探し続けていれば、自分のキャリアが思いもよらない場所まで広がっていくことに驚くかもしれません」と彼は語ります。

ロドニーの歩みは、戦略的な思考やグローバルな経験、そして人を育てるリーダーシップを大切にするアステラスの企業文化を表しています。昇進だけでなく異動もキャリアを加速させる価値ある経験であり、成長の機会として捉えられています。また、困難な状況の中でも責任を果たし続けるリーダーが評価されます。そしてキャリアの成長は、役職や肩書きだけでなく、次の挑戦に向けてどれだけ準備ができるかによっても測られるのです。

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Voices of VALUE は、アステラスでキャリアを築いてきた社員を紹介するシリーズです。アステラス社員の多様なキャリアパスや経験、学びを通じて、個々の成長がどのように組織全体の革新と成功につながるのかを探ります。

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