アステラスの社員がオフィスのホールを歩く様子は、大胆なアイデアを生み出し、協働してイノベーションを起こすコミットメントを表しています。

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世界の人々の健康のために、最先端の科学を追求し、より良い社会の実現を目指す社員の想いを紹介します

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患者さんの声を「価値」に変える
2026年08月06日
オフィスの打ち合わせスペースでインタビューを受ける東山浩之

本記事は、実際の患者さんの体験談を紹介しています。特定の患者さんの体験を紹介したものであり、典型的な患者さんの体験を紹介するものではありません。また、特定の治療法や医薬品の推奨を行うものではありません。気になる症状や医学的な懸念がある場合、また、適切な診断と治療を受けるためには適切な医療機関を受診ください。  


地下鉄のホーム。足元に並ぶ黄色い線が、ある日ふっと消えて見えた。
最初は気のせいかと思ったけれど、次第に文字が歪み、視界はゆっくりと暗くなっていった。

さかのぼること30年前。下された診断は、萎縮型加齢黄斑変性だった。有効な治療法がないことを知った。

「それが本当にショックだった」――患者さんはそう語ります。

それでも、日々の生活は続いていきます。たとえば、見えにくさの中で文字を読むために拡大鏡を使うなど、これまで当たり前ではなかった工夫の一つひとつが、日常を支えています。

見えにくさの中で工夫を重ね、小さな喜びを見つけながら、前を向いて生きていく。この動画に映し出されているのは、特別な誰かではなく、私たちと同じ日常を生きる一人の姿です。

そして、この患者さんとの出会いが、今回の動画制作に携わった東山 浩之にとって、改めて「患者さんの現実にどう向き合うのか」を問い直すきっかけとなりました。

東山はこう振り返ります。

「最も心に残っているのは、ご病気を抱えながらも、静かに前を向き続ける患者さんの姿です」

なぜ患者さんの声に向き合うのか

東山浩之の顔写真

東山 浩之
Patient Partnerships Lead
Japan and China

東山は、日本と中国で、患者さんの声や経験を起点に、医療の未来をどう変えていけるのかを問い続けながら、ペイシェント・セントリシティの活動に取り組んでいます。そして、東山は自身のキャリアの中で、ある問いと向き合い続けてきました。

「本当に、目の前の患者さんの現実を理解できているのだろうか」

以前、研究や開発の現場にいた頃、忙しさに追われて、患者さんの現実にまで向き合えていなかったのではないか――。

その違和感は、ペイシェント・セントリシティの活動を続ける中で、確信へと変わっていきます。

「患者さんの現実を知らなければ、本当に『価値』のある医療は生まれない」

その想いが、いまも迷ったときに立ち戻る原点です。

「わかったつもり」を超えて

Hiroyuki Higashiyama being interviewed in an office meeting space

「わかった気にならないでほしい」

患者さんからの言葉が、東山の価値観を大きく変えました。

限られた時間の中で、必要な情報を聞く。そのプロセスだけでは、本当に大切な想いにはたどり着けないかもしれない。だからこそ、東山は「傾聴する」という行為そのものを問い直します。

それは情報収集ではなく、相手を尊重する姿勢。そして、言葉の奥にある想いに向き合い続けることです。

ペイシェント・セントリシティ・リードとしての実践

現在、東山は、患者さんや患者コミュニティとアステラス社内をつなぐ橋渡しの役割を担っています。

単に声を集めるのではなく、「何が患者さんにとって本当の『価値』なのか」を理解し、それを意思決定や行動へとつなげています。

そのために、全社ミーティングや各部門の対話の場に患者さんを招き、直接話を聞く機会を設けるとともに、動画やオンデマンド配信を通じて、より多くの社員が患者さんの経験に触れられるようにしています。

また、工場や研究所などの現場での患者さんとの交流も重視しています。実際に同じ場で時間を共有することで、理解はより一層深まります。

こうした取り組みは、単なる情報共有にとどまらず、意思決定のあり方そのものにも影響を与えています。例えば、全社のシニアリーダー会議では、戦略の議論に入る前に患者さんの声に耳を傾けることが重視されるようになりました。

東山は、「患者さんの声が参考情報で終わるのではなく、意思決定の出発点となることが重要だ」と語ります。

患者さんと共に歩むということ

東山は、「患者さんと共に歩む」ことの意味をこう語ります。

「患者さんを支援の対象としてではなく、対等なパートナーとして向き合うこと。見ている景色の違いに向き合い続けることが、パートナーシップの出発点になる」と話します。

見ている景色が違うからこそ、問い続け、理解しようとする。そして、対話を重ねながら、同じ方向へ進んでいく。そのプロセスこそが、患者さんと共に歩むということの本質と捉えています。

患者さんの声が変えるもの

患者さんの声は、組織にも変化をもたらしています。岡村 直樹 代表取締役CEOが患者さんと直接対話し、その学びを社内に共有する取り組みも続いています。そうした一つひとつの行動が、社員の意識や関心を広げていくきっかけとなっています。

岡村直樹と東山浩之が患者さんと対話する様子

こうした取り組みの積み重ねが、意思決定や行動に影響を与えています。患者さんの声を単なる情報として受け取るのではなく、組織のあり方そのものを問い直すきっかけとなっているのです。

東山が目指しているのは、患者さん一人ひとりの「こう生きたい」という想いが、医療の中に反映される世界です。そして、患者さんの声が「参考意見」としてではなく、共に医療を形づくる力として尊重される社会です。

「その声に向き合うことこそが、本当に向き合うべき課題を見失わないための行動の羅針盤になる」と、東山は強調します。

Hiroyuki Higashiyama in discussion

見過ごされがちな声から生まれる「価値」

一人の患者さんの声から始まった対話は、アステラスの中での価値観や行動を変えていきます。その変化は、やがて患者さんにとってより良い医療や体験へとつながっていきます。そして、一つひとつの声に向き合うことが、アステラスの目指す、患者さんにより大きな「価値」をより速く創り、届けることにつながっています。

患者さんの声に耳を傾けること。それは、より良い医療を共に創る第一歩です。今回の動画に登場した萎縮型加齢黄斑変性の患者さんの声も、その出発点の一つとなっています。

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