世界を表すデジタルイメージで、アステラスが世界中の患者さんのために活動に取り組むグローバル企業であることを示しています。

ニュース

アステラスは、当社のビジネス、サイエンス、製品に関連する、迅速かつ正確な情報提供に努めています。このセクションでは、投資家や報道関係者向けにグローバルの情報を提供しています。各地域のニュースについてはローカルニュースセクションをご覧ください。投資家や報道関係者以外の方は、こちらをクリックしてください。

setidegrasib 治療歴のあるKRAS G12D変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者を対象とした国際共同第III相試験を開始
2026年09月24日

- KRAS G12D変異を標的とする
標的タンパク質分解誘導剤setidegrasibについて
治療歴のあるKRAS G12D変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者を対象に
ドセタキセルと比較評価 -
- setidegrasibとして、過去6カ月で2件目となる第III相試験を開始 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、開発中のKRAS G12D標的タンパク質分解誘導剤setidegrasibについて、白金製剤を含む化学療法および免疫チェックポイント阻害剤による初回治療中、または治療後に病勢進行したKRAS G12D変異陽性の局所進行性(切除不能)、または転移性非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer:NSCLC)患者を対象に、ドセタキセルとの比較評価を行う第III相試験において、最初の患者への投与を開始しました1。

 肺がんは世界で最も多く診断されるがんであり、がんによる死亡原因の第1位です。そのうちNSCLCは全症例の約80%を占めています2,3。NSCLC患者の約5%がKRAS G12D変異を有するとされています4。他の遺伝子変異を有するNSCLCでは分子標的治療が進展している一方で、KRAS G12D変異陽性NSCLC患者を対象として承認された治療法は現在存在していません3,5。そのため、初回治療後に病勢が進行した患者さんに対しては、現在も化学療法などの標準治療が主な治療選択肢となっています5。

 setidegrasibは、疾患の原因となるKRAS G12Dタンパク質を分解・除去するよう設計された、アステラス製薬が独自に創製し開発中の新規の標的タンパク質分解誘導剤です。変異したKRAS G12Dタンパク質を分解・除去することにより、がん細胞内のシグナル伝達を阻害し、がん細胞を死滅させる可能性があります4。今回の治療歴のあるNSCLCを対象とした第III相試験は、2026年3月にThe New England Journal of Medicine に掲載された初期臨床試験の結果に基づくものです。同試験では、KRAS G12D変異を有する進行性固形がん患者において抗腫瘍活性と認容可能な安全性プロファイルが示され、setidegrasibの作用機序を支持する結果が得られました4。

 アステラス製薬の研究開発担当CRDO(Chief Research & Development Officer)の谷口 忠明は、「NSCLCを対象とした第III相試験の開始は、過去6カ月で2件目となるsetidegrasibの第III相試験であり、本剤の臨床開発が着実に進展していることを示しています。本試験を通じて、疾患の原因となるKRAS G12Dタンパク質を分解するというsetidegrasibの新しいアプローチが、KRAS G12D変異を有するNSCLC患者さんのアンメットメディカルニーズにどのように応え得るのかを明らかにしていきます。本試験にご協力いただいている患者さん、治験責任医師、ならびに試験運営チームの皆さまに深く感謝いたします」と述べています。

 setidegrasibは、アステラス製薬の主要な開発パイプラインの一つであり、今回の治療歴のあるNSCLCを対象とした第III相試験の開始は、2027年度までに5件以上の第III相/ピボタル試験を開始することを目標とするアステラス製薬の経営計画2026を支えるものです。また、2026年4月に開始されたKRAS G12D変異陽性転移性膵腺がん(pancreatic ductal adenocarcinoma:PDAC)患者の一次治療を対象としたsetidegrasibの第III相試験(NCT07409272)に続く取り組みとなります6。

 さらに、setidegrasibおよびKRAS G12Dが関与する疾患生物学への理解を深めるため、アステラス製薬は2026年9月25日から28日に開催されるAACR Conference on Pancreatic Cancerにおいて、KRAS G12D変異陽性PDAC患者を対象としたsetidegrasibの第I相試験から得られた応答・耐性メカニズムに関する解析結果を発表します7,8。これらの解析により、有効性や耐性のメカニズム、膵腺がんにおける併用療法戦略に関するさらなる知見が得られる見込みです。発表は口頭発表およびポスター発表の両形式で行われます*。

以上

*AACR Conference on Pancreatic Cancerでの発表概要
演題名:
Integrated translational analyses of the first generation KRAS G12D degrader setidegrasib identify mechanisms of response and resistance and offer rational combination strategies in pancreatic cancer

筆頭著者:
Wungki Park(Gastrointestinal Oncology Service, Memorial Sloan Kettering Cancer Center)

発表詳細:
ポスター発表
ポスター番号:B040
日時:2026年9月27日 午後5時~7時(米国太平洋時間)

口頭発表(採択演題に基づくショートトーク)
演題番号:PR014 B040
日時:2026年9月28日 午前9時42分(米国太平洋時間)

第III相非小細胞肺がん(NSCLC)試験(NCT07566052)について1
本非盲検無作為化第III相試験では、白金製剤を含む化学療法および免疫チェックポイント阻害剤による初回治療中、または治療後に病勢進行したKRAS G12D変異陽性の局所進行性(切除不能)、または転移性非小細胞肺がん患者を対象に、setidegrasibとドセタキセルを比較評価します。
主要評価項目は、以下の2項目です。
● 無増悪生存期間(progression-free survival:PFS):盲検化独立中央評価による評価
● 全生存期間(overall survival:OS)
本試験では、複数の国において356名の患者を組み入れる予定です。

setidegrasibについて4,9,10
setidegrasibは、疾患の原因となるKRAS G12Dタンパク質を分解・除去することを目的として設計されたアステラス製薬が独自に創製し開発中の新規の標的タンパク質分解誘導剤です。変異したKRAS G12Dタンパク質を除去することにより、がん細胞内のシグナル伝達を阻害し、がん細胞を死滅させる可能性があります。setidegrasibは、がん細胞が持つタンパク質分解機構を利用して、変異したKRAS G12Dタンパク質とE3リガーゼに選択的に結合し、疾患の原因となるタンパク質の選択的分解を誘導し、このがん関連変異に対する新たな治療アプローチを実現することを目指しています。
現在開発中の適応におけるsetidegrasibの安全性および有効性は、いまだ確立されていません。また、setidegrasibが規制当局の承認を取得し、治療法として商業的に利用可能となる保証はありません。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

参考文献
1. ClinicalTrials.gov. U.S. National Library of Medicine. A Study to Compare Setidegrasib (ASP3082) With Docetaxel, in People With Non-small Cell Lung Cancer With a KRAS G12D Mutation. Identifier: NCT07566052. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT07566052. Last accessed September 21, 2026.
2. World Health Organization. 2026. Lung cancer. Available at:  https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/lung-cancer. Last accessed September 21, 2026.
3. Tang Y, et al. Targeting KRASG12D mutation in non-small cell lung cancer: molecular mechanisms and therapeutic potential. Cancer Gene Ther. 2024;31(7):961-969. doi:10.1038/s41417-024-00778-4.
4. Park W, et al. Setidegrasib in advanced non-small-cell lung cancer and pancreatic cancer. N Engl J Med. 2026;394(14):1409-1420. doi:10.1056/NEJMoa2600752.
5. Reuss et al. Therapy for stage IV non-small cell lung cancer without driver alterations: ASCO Living Guideline. J Clin Oncol. 2026;44(7):e56-e88. doi:10.1200/JCO-25-02825.
6. ClinicalTrials.gov. U.S. National Library of Medicine. A Study to Evaluate the Effectiveness and Safety of Setidegrasib, Given With Either mFOLFIRINOX or NALIRIFOX Chemotherapies, in People With Pancreatic Cancer. Identifier: NCT07409272. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT07409272. Last accessed September 21, 2026.
7. Park W. Integrated translational analyses of the first-generation KRAS G12D degrader setidegrasib identify mechanisms of response and resistance and offer rational combination strategies. Oral presentation at: AACR Conference on Pancreatic Cancer; September 25–28, 2026; San Diego, CA.
8. Park W, et al. Integrated translational analyses of the first-generation KRAS G12D degrader setidegrasib identify mechanisms of response and resistance and offer rational combination strategies. Poster presented at: AACR Conference on Pancreatic Cancer; September 25–28, 2026; San Diego, CA.
9. Yoshinari T, Nagashima T, Ishioka H, et al. Discovery of KRAS(G12D) selective degrader ASP3082. Commun Chem. 2025;8:254.
10. Paz-Ares L, et al. Efficacy and safety of setidegrasib in patients with advanced NSCLC with KRAS G12D mutation. Presented at: European Lung Cancer Congress (ELCC) 2026; March 25, 2026; Copenhagen, Denmark. Abstract 1O.

お問い合わせ先:
アステラス製薬株式会社
広報
TEL: 03-3244-3201

(opens in a new window)