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- シスプラチン適応の有無に関わらずMIBCを対象として承認された初めての
白金製剤を用いない治療法となり、新たな治療選択肢を提供 -
- シスプラチン適応の患者において、標準治療と比較して腫瘍の再発、病勢進行または死亡のリスクを約50%低下させ、死亡リスクを35%低下させた
第III相EV-304試験のデータに基づく適応追加承認 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下、「Pfizer」)*と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)であるPADCEV™(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体Keytruda®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))またはKeytruda QLEX™ (ペムブロリズマブ+ベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmph)の併用療法について、シスプラチン適応の有無に関わらず筋層浸潤性膀胱がん(Muscle Invasive Bladder Cancer:MIBC)患者を対象とした術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から承認を取得しました1。本併用療法は、シスプラチン適応の有無に関わらず、MIBC患者を対象とした初めての白金製剤を用いない治療法となります。
今回の承認は、第III相EV-304試験(KEYNOTE-B15試験)の結果に基づくものです。EV-304試験の結果は、2026年米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(American Society of Clinical Oncology Genitourinary Cancers Symposium:ASCO GU)で発表されました。また、今回の適応追加は、2025年11月に取得した、EV-303試験(KEYNOTE-905試験)の結果に基づくシスプラチン不適応のMIBCに対する承認を踏まえたものです。EV-303試験の結果はNew England Journal of Medicineに掲載されています。
EV-304試験において、被験者は手術に加えてエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの術前術後補助療法を受ける群、または手術に加えて現在の標準治療である術前補助化学療法(ゲムシタビンとシスプラチン)(以下「術前化学療法」)を受ける群に無作為に割り付けられました。エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法は、手術前後に分けて実施され、エンホルツマブ ベドチンは計9サイクル、ペムブロリズマブは計17サイクル投与されました2。本併用療法群は、術前化学療法群と比較して、再発、病勢進行または死亡のリスクを47%減少させました(ハザード比[Hazard Ratio:HR]=0.53、95%信頼区間[Confidence Interval:CI] 0.41-0.70、片側検定においてp<0.0001)2。2年後にイベントが発生しなかった割合は、併用療法群が79.4%であったのに対し、術前化学療法群では66.2%でした2。併用療法群は術前化学療法群と比較して、死亡リスクが35%減少しました(HR=0.65、95%CI:0.48-0.89、片側検定においてp=0.0029)2。病理学的完全奏効(pathological Complete Response:pCR)率に関しては、併用療法群が55.8%、術前化学療法群では32.5%でした(推定差23.4%、95%CI:16.7-29.8、片側検定においてp<0.0001)2。
EV-304試験における併用療法群の安全性は、各薬剤でこれまでに報告されているプロファイルと同様であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした。薬剤との因果関係を問わないグレード3以上の有害事象の発生率は、併用療法群が75.7%、術前化学療法群では67.2%でした2。
白金製剤を用いない本併用療法は、約25年ぶりとなる新たな治療選択肢として、MIBC患者さんに新たな希望をもたらすことが期待されます。アステラス製薬は、膀胱がんとともに生きる人々の治療成績の向上に、引き続き貢献していきます。
本件によるアステラス製薬の通期業績への影響は、通期(2027年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。
以上
EV-304試験について
EV-304試験は、シスプラチンを用いた化学療法に適応のあるMIBC患者を対象に、術前術後の補助療法としてエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法と、術前補助化学療法(ゲムシタビンとシスプラチン)を比較評価する、非盲検無作為化第III相試験です。被験者は、併用療法群、術前化学療法群に無作為に割り付けられました。いずれの群においても、膀胱摘除術が実施されました。エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法は、手術前後に分けて実施され、エンホルツマブ ベドチンは計9サイクル、ペムブロリズマブは計17サイクル投与されました2。
主要評価項目は、併用療法群と術前化学療法群を比較したEFSです。これは、次のいずれかのイベントの最初の発生までの時間として定義されます:膀胱全摘除術(Radical Cystectomy: RC)を妨げる病勢の進行、残存病変を有する患者がRCを受けられなかった場合、手術時の肉眼的残存病変、画像検査および/または生検によって評価された局所または遠隔の再発、原因を問わない死亡。主な副次評価項目は、OSならびにpCR率です3。
EV-304試験の詳細は、www.clinicaltrials.gov.を参照ください。
筋層浸潤性膀胱がん(Muscle Invasive Bladder Cancer:MIBC)について
膀胱がんは、世界で9番目に多いがんであり、世界中で毎年614,000人以上が膀胱がんと診断されており、米国における患者数は85,000人と推定されています3,4。MIBCは膀胱がんの約30%を占め5、現在の標準治療はシスプラチンを用いた術前化学療法とそれに続く手術です6。しかし、MIBC患者の約半数が手術後に再発を経験するとされています7。
PADCEV™(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4を標的とするファーストインクラスのADCです8。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチンE(Monomethyl auristatin E:MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています1。
エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブまたはベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmphの併用療法は、米国においてMIBCに対する術前術後の補助療法として承認されています。また、欧州連合ではシスプラチン不適応のMIBCに対する術前術後の補助療法として承認されています。
本併用療法は、シスプラチン適応の有無に関わらず、局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer: la/mUC)に対する治療法として、米国、日本を含む世界各国で承認されています。欧州においては、白金製剤適応のla/mUC患者に対する治療法として承認されています。また、エンホルツマブ ベドチンは、PD-1/PD-L1阻害剤および白金製剤を含む化学療法による治療歴のあるla/mUC患者、またはシスプラチン不適応でこれまでに治療歴のあるla/mUC患者に対する単剤療法としても承認されています1。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。
Pfizer、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとの提携について
Seagenとアステラス製薬は、治療歴のない転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEV™(エンホルツマブ ベドチン)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)のKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)の併用療法を評価するために、臨床開発の提携契約を締結しています。既にご案内した通り、2023年12月14日にPfizerはSeagenの買収を完了しました。KEYTRUDA®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
お問い合わせ先:
アステラス製薬株式会社
広報
TEL: 03-3244-3201
参考文献
1 PADCEV [package insert]. Northbrook, IL: Astellas Pharma US, Inc.
2 National Institute of Health. National Library of Medicine. Perioperative Enfortumab Vedotin (EV) Plus Pembrolizumab (MK-3475) Versus Neoadjuvant Chemotherapy for Cisplatin-Eligible Muscle Invasive Bladder Cancer (MIBC) (MK-3475-B15/ KEYNOTE-B15 / EV-304) (KEYNOTE-B15). ClinicalTrials.gov identifier: NCT04700124. Published January 7, 2021. Updated August 26, 2025. Accessed February 24, 2026. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT04700124.
3 World Bladder Cancer Patient Coalition. GLOBOCAN 2022: Bladder cancer 9th most common worldwide. Accessed February 24, 2026. Available at: https://worldbladdercancer.org/news_events/globocan-2022-bladder-cancer-is-the-9th-most-commonly-diagnosed-worldwide/
4 American Cancer Society. Cancer Facts & Figures 2025. Accessed February 24, 2026. Available at: https://www.cancer.org/research/cancer-facts-statistics/all-cancer-facts-figures/2025-cancer-facts-figures.html
5 Bladder Cancer Awareness Network. What is Muscle Invasive Bladder Cancer? Accessed February 24, 2026. Available at: https://bcan.org/what-is-muscle-invasive-bladder-cancer/#:~:text=When%20tumors%20grow%20into%20or,Virginia%20Health%20System%20explain% 20MIBC
6 Funt SA, Rosenberg JE. Systemic, perioperative management of muscle-invasive bladder cancer and future horizons. Nat Rev Clin Oncol. 2017 Apr;14(4):221-234. doi: 10.1038/nrclinonc.2016.188. Epub 2016 Nov 22. PMID: 27874062; PMCID: PMC6054138.
7 Squires P, Cook EE, Song Y, Wang C, Zhang A, Seshasayee SM, Rogiers A, Li H, Mamtani R. Treatment Patterns, Disease Recurrence, and Overall Survival in Patients with Muscle-Invasive Bladder Cancer after Radical Cystectomy: A Population-Level Claims-Based Analysis. Clinical Genitourinary Cancer. 2025 Nov;102466. https://doi.org/10.1016/j.clgc.2025.102466.
8 Challita-Eid PM, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab vedotin antibody-drug conjugate targeting nectin-4 is a highly potent therapeutic agent in multiple preclinical cancer models. Cancer Res 2016;76(10):3003-13.